大規模言語モデルを用いたその場での要約に基づくレビュー探索インタフェース

投稿者:山本研究室

大規模言語モデルを用いたその場での要約に基づくレビュー探索インタフェース

概要

本研究では,類似する商品レビューについて,大規模言語モデルを用いた要約をユーザに提示するシステムを提案する.たとえばドライヤーをインターネットで購入するときに「髪の毛がつやつやになりました!」というレビューを見て,類似する観点のレビューを探したくなるというように文章を読んで調べたい観点が思い浮かぶことがある.しかし,従来の検索手法である文字列マッチングでは,類義語を用いたレビューを検索することができないうえ,検索キーワードとして適切な単語がないという問題がある.そこで,商品レビューから抜粋した文章を入力とし,分散表現を用いて類似すると判定した商品レビューについて要約を行い,提示するシステムを提案する.大規模言語モデルを用いることにより,ドメインに縛られずに要約を行い,同じ観点のレビューを分かりやすく提示できると考えた.提案手法についてユーザ実験を行い,観点や意見の網羅性や結果の見やすさについてアンケートをとった結果,従来の文字列マッチングよりも回答者平均が上回り,結果の見やすさについては有意差が認められた.また,レビューの検索精度についても評価したところ,提案手法ではフレーズで検索を行ったときに文字列マッチングを用いた手法より F1 値が高くなった.今後はユーザ実験の人数を増やし,プロンプトの改善を行っていく必要がある.

書誌情報

藤井真梨乃, 河田 友香, 山本 岳洋: 大規模言語モデルを用いたその場での要約に基づくレビュー探索インタフェース, 第16回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM2024) , T3-B-5-04 , 2024年3月

著者について

山本研究室 administrator