音声対話型検索におけるシステムの応答の長さが検索行動へ与える影響の分析

投稿者:山本研究室

音声対話型検索におけるシステムの応答の長さが検索行動へ与える影響の分析

概要

本研究では,音声のみでシステムとユーザが検索を行う音声対話型検索におけるシステムの応答の長さとユーザの検索行動の関係について調査する.音声対話型検索では,長い応答はユーザの認知的負荷が高く,特に比較や意思決定を伴うような複雑な検索タスクにおいてはその影響は大きいと考えられる.そこで本研究ではシステムが応答を端的に要約して応答する短応答型提示を提案する.実験のため,既存のAPIを利用し実世界のおける音声対話と近い形で音声対話型検索を可能とするシステムを構築した.実験では,通常の長い応答をユーザに返すシステムと,短い応答を返す提案システムの2つを用いて実験参加者に検索を行ってもらった.また,検索タスクの複雑性と応答の長さとの関係を明らかにするため,複雑な検索タスクと簡単な検索タスクで実験を行った.実験の結果,短い応答を返す提案システムの方が,検索タスクの複雑さによらずユーザ認知的負荷が減少する傾向にあり,その結果,タスクのサマリ結果にシステムから得た情報を多く含んでいることが明らかになった.一方で,ユーザのサマリ内容は,長い応答を返すシステムよりも考察や分析の質において劣る傾向にあった.ユーザのクエリを分析した結果,探索的検索を促すために,初期段階で広範囲に情報を提示するシステム応答戦略の必要性が示唆された.

書誌情報

飛岡 憲,山本 岳洋,大島 裕明:音声対話型検索におけるシステムの応答の長さが検索行動へ与える影響の分析
第17回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2025), 3E-02, 2025年3月.

スライド

著者について

山本研究室 administrator